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ロッドの話-2(グラスロッド) [ロッド・リール]

さて、クランキンロッド。
当ブログをご覧の方ならば、絶対持っているであろう専用ロッド。
皆さん、それぞれの特徴を理解して使われているかと思います。

クランキンロッド、主にシャローからミディアムダイバーを
使用する方が多いと思いますが、
ご存知の通り、大きく分けて2種に大別されます。

●グラス系
●低弾性カーボン系

です。
さらに細分化していくと、
グラス系はピュアグラスとグラスコンポジットに分かれ、
さらにその先でも微妙な差があります。
より軽量なUDグラス系の現代グラスモデル、
ザ・グラスと言える古いグラスモデル、
コンポジットでもグラス寄りなモデルとカーボン寄りなモデルに
分かれて行きます。

低弾性カーボン系はテーパーの違いや、
ベースとしているパワーの違いが各メーカーで差があると思ってます。
それはクランキン用なのかハードベイト用なのかというところで、
味付けが変わってきている結果かと。
言うまでもなくクランキン用の方がグラスの使用感に近いのですが、
私の中では近いけどグラスとは全然別物という扱いです。

まず自分がなぜそのタイプのクランキンロッドを使っているか…
というのを自問自答してみて、明確に答えられるか試してみると
愛用ロッドへの理解度が見えてきます。





アングラーのタイプを3つに分けると
●グラス派
●低弾性カーボン派
●用途に合わせて両方使う派
です。

ここでクランキンに専用ロッドを使わないという方が居たら
ちょっとアレなんですが、オカッパリで1本で全部こなすような
ロッドで釣りをする場合を除いては、考え直した方が良いです。
間違いなく。



グラスは私の中ではよりコンペティティブな方向性のロッドだと思ってます。
理由はよく言われていますが、バイトからキャッチまでを補助してくれるような
ブランク特性だからです。
クランクベイトがよく動いてくれるというのもありますが、
低弾性カーボンロッドでもそれなりに動いてくれますので、
明確な違いはやっぱり「バイトがあったら絶対獲りたい」という思いの強さ。




時系列で書いていきます。

まずキャスト。
ここではグラスは不利です。
弾性が低すぎて反発力が小さく、
クランクベイトが飛びにくいです。
そして、ブランクが重い。
UD薄巻き系の軽いグラスロッドでもやはりカーボンの軽さにはかないません。

コンパクトなキャストでもお腹に引っかかることがないように、
シャロークランキンロッドはグリップが短めです。
だから余計に重さを感じてしまうということで、
この重さがダメでグラスを使わないという人も一定数いるかと思います。


重さはさておき、とにかく弾性がとても低いグラスロッドを
クランキンロッドとして成立させるために、まずバットが太くなっています。
これにより低い反発力を補っています。
ブランクは太い程強いので、太くしてパワーを増す設計になってます。
太いバットが見た目的に好きではないという人がたまにいますが、
細いバットのグラスロッドはこの釣りにおいては論外です。
だから存在していません。

そして、テーパーデザインでいうとハイテーパーな設計が
グラスロッドの定番なのはキャスト時のパワー補完だけでなく、
後にも活きてくるのですが、それは後述します。

キャスト後のリーリング時に生きるのは、
クランクをストレスなく泳がせるためのソフトなティップセクション。
さらに対カバーに対してアタリをやわらかくすることができるので、
突っ込んで引っかかるストレスが少なくなります。
これは高浮力なクランクベイト(MBクランクで言うとMBX)を使うと
相乗効果で素晴らしい回避性能を体験できます。

次にバスのバイト。
先述した通り、ここからがグラスの真骨頂です。
バスのバキュームによって口に入るクランクベイトは、
ティップの入りやすいグラス特性によってより深く吸い込まれます。

グラスを使ったことがない人はアタリがわかりにくいのでは?
と想像するかもしれませんが、私はそんなことを思ったことは一度もなく、
通常はオートで掛かってくれます。
難しいのは風やエレキによって流されながら流される先にキャストしている時。
当然オートでもフッキングは必要なのですが、
その必要性が高まるのがこの流されながらのクランキングです。
リーリングスピードが常に速めの場合はあまり気にならないかもしれませんが、
スロー気味な人は情報量が少なくなるので練度が必要です。
でもグラスだからというような話ではないとも思います。

さて、バイトを感じてからのフッキング。
ここではグラスはネガティブな要素を持っています。
正確にはそうなるシチュエーションがあります。
それは遠くでバイトした場合。
遠くで掛かって、ジャンプされてバラすというのはグラスあるあるかと。
遠くで掛かってしまうと、フッキングが伝わりにくいので、
ジャンプされて首振り一発でクランクが飛んでしまうというわけです。

通常のバンク流しの距離くらいなら、
ハイテーパー設計で太くなっているベリーからバットにかけてのパワーで
十分フッキングが可能です。ここからはこの設計の必然性が再び出てきます。

太いバットはフッキング後のファイトでも活きます。
全体に低い弾性のブランクは身切れによるバラしを少なくしつつ、
のされにくいバットパワーにしていることで、
主導権をバスに渡すことなく、ファイトが可能です。


極力短くグラスロッドを言い表すと、

 キャストはしにくいけど、
 バイトからは良いことだらけ

になります。

だからキャストが気持ちよくできないのは我慢してでも、
食ってきた魚は絶対獲りたいんだ!という思いが強い人向けと言えます。
コンペティティブな思考です。

次回書きますが、低弾性カーボンはキャストフィールが素晴らしいから
これ最高と思いがちですが、バラさないということに関しては、
ほとんどのシチュエーションでグラス優位です。
ロッドは魚を獲れてなんぼということを忘れてはなりません。



そして、ピュアグラスよりもグラスコンポジットが多くなっている現状は
何を意味しているのか…という話なんですが、
簡単に言うとベリーからバットのさらなる強化で
時系列で説明したデメリットを少しでも良くする手段としてとても有効なのです。

グラスの存在意義となっている全体的にとっても低い弾性と
ソフトなティップはそのままにベリーとバットをさらに強化することで、
より飛距離を出しやすくして、フッキングパワーを上げて、
さらにファイトも優位にしていくという考えです。
ついでにボトム感知能力も少し上がります。

だからコンポジットされるカーボンはベリーとバットが中心となります。
ティップへのそれよりも多めということです。
グラスだけでそれをやろうとすると重くなってしまうので、
カーボンとのコンポジットになっているわけです。

部分的に強化しつつ自然なテーパーに仕上げるのは
設計者・デザイナーの腕の見せ所でしょうか。


ではピュアグラスよりグラスコンポジットが絶対的に良いかというと、
そこはロッド。人によってはピュアグラスが良いという場合も出てきます。
体力があって、パワーは自分のパワーで補完するから大丈夫という人も居るでしょう。
私はグラスコンポジットを中心に使ってて、やっぱりピュアグラスより楽だなと感じます。
でもたまにピュアグラスも使うし、それがダメだとも思わないので、
要はどれだけ自分の手持ちのロッドを理解しているかなんだと思います。

ただ、ほとんどの人はグラスコンポジットの方が使いやすいと感じると思います。




次回は低弾性カーボン編を書こうと思います。
最後はワーミングロッド他になるかな?



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DEN

自分は、グラスのキャストフィールが好きなので、デメリットになるキャスティングの部分もあまり気になりません。

ただし、向かい風だったり、ちょっと距離が必要だったりする時には、グラスだとちょっと・・・と思うことがありますね。

自分が使用しているクランク用ロッドは、コンポジットがメインなのですが、こうやって整理して考えたこと無かったので、なるほどと納得です!
by DEN (2018-02-07 20:10) 

BS45

グラスーーーー。
本当私も、クランクベイト(殆どの巻き物に)もグラスロッドが大好きです。
今だに、フェンのエリートのグラスロッド(100%?)を使ってます。
何年も使ってると、何でこんなにグリップが太いの?と疑問が浮かび。
グリップを削って使ってましたが、更にリールシートへの疑問が。
今では、個人的に最高と思えるフジのスケルトンシートとジャストエースの細身のEVAグリップに改造して落ち着いてます。
本当ピュアグラスのロッドは、少ないです。
シマノ ゾディアス、ダイワ タトゥーラエリート・今年発売のエアエッジ、テールウォーク フルレンジ、バスプロショップスのクランキンロッド…と色々興味のあるロッドはあるんですげど。
全てコンポジットですから、う〜んってなります。

by BS45 (2018-02-07 21:32) 

tisa

>DENさん
グラスで問題なければそれが一番です(^^) 人間一度ラクをしてしまうと戻れなくなりがちなので、あえてグラスだけを使い続けるのも良いかと思います。グラスコンポジットはひとつの完成形だと思いますし(^^)

>BS45さん
グラス派はとことんグラス派ですよね!
グリップ径は私も細めが好みです。TD-Sのグリップなんかもなぜこの形状?ってなります(^^;)
ピュアグラスが減ってるのは単純に需要としてはコンポジットが高いからなんだと思います。メーカーからするとピュアグラスは売れないというのが共通見解だと思いますねー。




by tisa (2018-02-08 17:22) 

BS45

TD-S…あれも、相当太いグリップでしたね。
そりゃ、大森さんも削りたかった訳が分かります。
グラス100%って本当需要ないでしょうね、哀しいです。
昔グラスじゃないロングロッドについて田辺さんが、良いんだけと売れないんだよねぇ〜って何処かで言ってたのを思い出しちゃいました。
by BS45 (2018-02-08 21:38) 

tisa

>BS45さん
あの太さは90%くらいの日本人は違和感があると思うんですが、なぜにこの太さ??という感じでした。シートとブランクはすごく良いですね!TD-S。
メーカーは良いのがわかってても売れないと判断すれば作れない。マスプロはそういう世界です。ただ、ロッドは昔より割と小ロット生産が可能になっているので、やれそうなんですけどね。今のバス釣り人口とか市場規模は思っている以上に少なく小さいのかもしれません…。

by tisa (2018-02-13 15:02) 

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