SSブログ

MB-1(開発コード)のABS化 [企画モノ]

04.jpeg

MB-1というジョイントベイトを以前作っていたのですが、
それをこの度ティムコさんからABS化の企画をいただき、
現在それに向けて色々と作業を進めている所です。

Twitterとインスタでは既にお知らせしたのですが、
短い文書ではなく、ブログでしっかりと書こうと思い、
久しぶりに書いております。
古い話なので思い出しながら綴ってまいります。
う〜む長文な予感がする…。
暇な時の読み物としてどうぞ!!


ほとんどの方が知らないであろうMB-1というルアー。
クランクベイトでMBを知っていただいたケースが
圧倒的に多いと思うので、それも当然だと思います。
でも私のハンドメイドの原点はミノーであり、
10代の時に初めて作ったちゃんと釣れるルアーはそのミノーでした。

そんな少年・青年期からどっと時は流れ、またハンドメイド熱が上がると
自然とミノーを削っていました。
当時は小貝川がホームでミノーはもちろん、
クランク、スピナーベイト、バズベイト、
ラバージグ、各種ワーム・リグなど
多様な釣りをしていました。

そうした釣りの中でひとつのルアーにフォーカスしていく事になります。
それがロングAの15Aと14Aでした。
丸い断面の昔からあるボーマーの超定番ミノーです。

image3.jpeg
(当時使っていたものではなく吊るしの新品15A)


これをジャークベイトとして使うのではなく、
トップウォーターミノーとして使っていました。
ボディー内にシルバーやゴールドの反射板の入ったカラーを使って、
リップとフロントフックの間に鉛シートを貼り、
バランス調整していました。

これの意図はフラッシングさせたいのと
水絡みを良くしたいというもの。
そもそもなぜロングAだったのかというと、
ブリブリとウォブルもしっかり入るのと
浮力もちょうど良かったから。

これらを集約するとトップウォーターミノーイングが
楽しめるルアーになるというわけです。
使い方はこうです。

まず、ブッシュや消波ブロックなどのカバーに対して、
正確にキャストします。
ワンアクション目が一番重要で、
ここで巻きとロッドワークを同時発動して、
水中にグリグリっと潜らせます。
ややオーバーパワー気味な入力になります。

ウォブルとロールが入り混じり、
反射板がフラッシング。水中でギラギラっとアピールします。
わずかな停止の後にフラ〜っと浮上してくるのですが、
このフラ〜から水面浮上までの間にルアーが食われます。
ワンアクションかツーアクション目で食わなかったら回収という流れ。

この釣りの醍醐味は自分でルアーを操作している感が強くて
ルアーに入り込めるというのと、
バスのバイトが丸見えでエキサイティングなことの2点。
あと正確なキャストが求められるのも
ゲーム性があって楽しいのです。

この釣りにハマるともっとこれを極めたい欲が出てきました。
小貝川は水が比較的クリアでフラッシングがいい感じで効く水色。
私はもっとフラッシングが効率的に出せたら楽しそうだし、
もっと釣れるのでは?とハンドメイドの道に再び入ったのでした。

まずは昔から馴染みのあるバルサで作りました。
ロングAより体高を高くしてアルミ張りにしました。
なんちゃってリアルフィニッシュです(笑)
それでも釣れたのですが、これは違うなと。
比重の問題だと分かっていたので、
ハードウッドを色々試しました。
水絡みの良さに関わるところです。

14.jpg
(これはウグイ型)

そこで最終的にちょうど良い比重と入手のしやすさ、
加工性の良さなどでヒノキを使うようになりました。
ミノーのレングスは11cmで川と言えばオイカワだろうと、
オイカワフォルムでアルミ貼りのオイカワカラーが
私的定番になりました。
ここではルアー設計のいろはを学んだ気がします。
それはクランクへ移行した時にもかなり役立ちました。


11.JPG


このミノー時代はウグイ型やアユ型なんかも作ったりして、
楽しんでいたのですが、次第にミノーの限界を感じ始めました。
演技力の部分です。
釣果的にはこれでも良かったのかもしれませんが、
もっとルアーに入り込みたい欲求がありました。

操ることでルアーに没入していくことの楽しさを
もっと追求したいというマニアックな欲求です(笑)
その先にある恍惚感を味わいたいですよ、私は。
もうこの辺は変態の領域なのかもしれません…。

で、次のステップである2ピース化です。
ジョイントにすることでより生々しさが出ないかなと。
そこでジョイントにすることのメリットデメリットを勉強することになります。
当然3連結とかもやりましたよ。ジョイントする位置とか、ウエイトバランス、
テールの形状・素材、ジョイント方法など、色々と試したものです。


17.jpeg


このジョイント化により、
面倒で複雑な工程となったルアー作り。
もうこれはガンダムだと。
フラッグシップ扱いだなと。
そういう流れで「MB-1」という名前が付いたのでした…。
(MB屋号はもうあったので)


というわけで、当時としてはやや大きめではありましたが、
13、4cmのものだったので、ジョイントミノーとあえて呼んでいました。
私の中ではミノーの亜種だったのです。

02.jpeg
(右のものはさらに小さい)


肝心のアクションはどうだったかというと、
より繊細なアクションが可能になりました。
デッドスロー巻き、短い距離内での首振りなんかは
ジョイント化しなければ出来ないこと。
今までやっていたグリグリアクションも
より魚らしさを増し、水中でのフラッシングも
まるで魚のようでした。

初期段階ではこんな実験的なものも作ったり…

15.jpeg
(もちろんボツ(笑))


こうやって、より没入できるルアーへと進化したMB-1は
私の休日の相棒となりました。
圧倒的な釣果を求めるのではなく、満足感こそが最大の関心ごと。

ここぞという所へ正確にキャストして、
全身全霊のワンアクションを入れて、ルアーに没入。
ギラっと反射した後にルアーの下方が現れるゴールドの鈍い光。
バスとのファイトはおまけみたいなもので、
このアクションからバイトまでの流れは
永遠に色褪せることのない映像としてずっと脳内に刻まれるのです。

ルアーの力に頼って食わせるのではなく、
自らが演じて騙すという「してやったり」の感。
その演じるという部分では意のままに操れる性能が必要になります。
私のMB-1開発の全てはここに集約されています。

ボディーデザインや各パーツ、ウエイトバランスなど、
もうこれ以上は無理かな…というところまでやりました。
当時の技術なのでこれでめいいっぱいということでは当然ありません。
そして、加工技術とか精度とか、
そもそもそれはハンドメイドでは無理という課題もありました。
だから完成した!というよりもハンドメイドではこれ以上は無理だな
というニュアンスです。
すごく複雑で手間の掛かるものだったので、
これを作って販売することも何か違うなと。
(売れるとも思っていなかったというのもあり)


そんなこんなで次第にいじる事もなくなって、
バルサのクランクベイト作りに没頭することなり、
今に至るというわけです。


前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、
そんな自分の中のちっぽけな歴史があって、
MB-1というルアーが存在していました。
それを友人の村中氏が知る事になったのは確か震災の年だったような…。
2011年とかそんな頃です。
ちなみにMB-1開発の時期は2006年辺りから2009年辺りです。

私的には自分用をハンドメイドで作ることはあっても
売り物用として作るつもりはありませんでした。

16.jpeg

H-1に参加していた時はリザーバー戦用にいろんなジョイントルアーも作り、
MB-1というよりも、より大きいものだとか、
ギル型だとか、そんなものを作っては投入し、
失敗し、なんてことをしていたくらいで、
MB-1は村中氏からこの話が持ち込まれなかったら、
間違いなく日の目を見ることはなかったことでしょう。

そういう意味ですごく感謝しております。
「ありがとう!村中さん!ティムコさん!」

で、ABS化となった時に色々とできなかったことをやれる
ワクワク感が湧いてきました。
精度も期待できるので、色々と妄想が膨らみました。
村中氏からも新たな提案もあり、それらを入れ込み、
まずはウッド版で検証。
あ、今回のABS化によりMB-1は約170mm40g前後にサイズアップします。


13.jpg
手は作り方を覚えているもので、
当時と全く同じ方法でサクサクと作業が進みます。
顔も当時と同じものです。フォルムもそのまま。
私的にはいじる必要のない所だと思ってます。

09.jpeg
10.jpeg

今後、テストを重ねながらウッド版でやっていた特性を継承しつつ、
ABSならではのメリットを注入し、新たな試みも追加し、
カスタムされたMB-1が熟成されていくはずです。


既にちょっと使ってみた人からは、
「これは楽しい!すぐ欲しい!」という反応があり、
私的には「そうでしょ、そうでしょ」と(笑)
操作することに長けていると思っているトップウォーターに傾倒しているアングラーや
フロッグのカバー撃ち大好きアングラー、ミノー大好きアングラーは
あっという間に操作感に慣れて、乗りこなすこと間違いなしです。
非常に楽しめるルアーになると思います。確信しています。

普段クランクなどの巻物しかやらないアングラーや
ビッグベイトに対してちょっとと及び腰なアングラーも
一度使ってしまえば、すぐに理解できると思います。
そして、このやや細みで薄くフラットなボディーのMB-1は
ビッグベイトとしてはバイト(反応)が多いタイプです。

08.jpeg

重量も専用タックルがなくてもMHくらいからであれば
ジャストではないですが、使うことくらいは出来るので、
非常に入りやすいです。
この機会にぜひ試してみて欲しいと思ってます。
(発売までにはまだ大分長い道のりがあるのですが…)


この記事ではディティールや機能性などの詳細は書いてませんが、
その辺のネタは豊富にあるので開発状況も含めて
村中氏と私とで動画などを通じてどんどん発信していく予定です。
お楽しみに!!
この状況が変わって釣りに行けるようになったら、
実釣動画も面白いなー(^^)


07.jpeg

nice!(0)  コメント(6) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

WOBBLING CDR開催(予定)記念セットの販売について [販売情報]

WOBBLING新利根川の一旦中止からだいぶ経ってしまいました。

当日の午前中に開催予定だったクランクベイトオンリーの大会
「Crankbait Drag Race(以後CDR)」開催を記念して、
MBが勝手にOPA!さんで通販をやろうという企画がありました。

そもそもの発端としてましては、
OPA!さんがだいぶ前に開催していた「OPRIDE(オプライド)」
という大会がありまして、それが正にクランクベイトオンリーの大会だったのです。

この大会が後に江戸物 石名さんが開催していた「鋼派」に繋がり、
その後、鈴木美津男さんが起こした「H-1GPX」へと発展していきます。

CDRはこの縛りルール大会の元祖である「OPRIDE」のルールを拝借する関係で、
OPA!代表の小林さんに連絡を取り、色々と水面下で動いていたのですが、
私的にはOPRIDEとして開催したい思いも伝えました。
CDRのルールである「クランクベイトであるかどうかは選手が自己判断」
という紳士的な決まりもOPRIDE由来です。
Love & GentleというWOBBLINGの理念にすごくマッチして良いなーと思いました。

でも結果的にはCDRという名前で開催することになったのは、
小林さんの思いでもあり、ニューフェイスで頑張れというエールでもあったと
勝手に思っています。

「Crankbait Drag Race」の名付け親はリドルの粟野さんであり、
「Drag=引っ張る」が何ともクランクベイトっぽいということで
運営サイドで決定しました。
早速ロゴを作って完成してみると、ファイヤーパターンがOPA!さんのロゴと似ていて
我ながらビックリしたものです。
ドラッグレースと言えばファイヤーパターンだから安易な発想だったのですが(^^;)


という前置きがあって、
こんな繋がりもあるので、コラボ企画をやりたいと私が申し出て、
本来であれば3/28の現地でのルアー販売と時を同じくして、
OPA!さんで通販スタートとなるはずだったのでした。

その内容は以下の通りで、
こちらが4/19(日)の午前中にOPA!さんのWebストアにて、
ON SALEとなります。
https://www.opa-fishon.com


まずは抱き合わ…セットもの!



Leafer set.jpg

Leafer MR set.jpg

mito1 set.jpg

Yackle set.jpg

OPA!コラボカラーとしての
Firestormカラーを纏った

●Leafer
●Leafer MR
●mito1
●Yackle

どれか1個(※選べます)



●CDR Tシャツ(サイズとカラー選べます)



●CDRステッカー(100×50mm)

のセットとなります。(税抜き8,000円)
※セット個数限定あり




他にもセットに入っているTシャツの単品販売もあります。
(税抜き3,500円)

T-shirt_ALL.jpg

受注期間短いのでお早目にご注文ください!
おそらく3日間程度になるかと。

ホワイトとブラックがあります。

White.jpg
Black.jpg

チェストにWOBロゴ
CDR T_omote.jpg

バックにCDRロゴが入ります。
CDR T_ura.jpg

サイズ表です。
size.jpeg

という内容になります。
ご興味のある方は今週末の日曜日、
OPA!ストアを要チェックでお願いします!!

尚、Tシャツが受注生産となる関係で、
商品の発送は1ヶ月程度後になります。予めご了承くださいm(_ _)m
ルアーも今塗装してるし…。忘れた頃に届くやつです(^^)


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。