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ポーのRC-1 [ルアー雑記]

ちょっと前にTwitterでアップした写真です。


IMG_9170.jpg


上がオリジナルのRC-1(ラトル入り)で
下が外皮を剥がして形を整えて、バラストウエイトを入れて、
(RC-1はバラストウエイトレス)
ヒートン仕様をツイストワイヤーのフックハンガーに変更したものです。

ポーやスタンフォードなどのシダーウッド製のクランクベイトは
生産性を上げるためにプラサフ(と思う)による分厚いコートで
一気に下地を仕上げる製法で作られています。
これがダメというわけではなく、
もともとバルサより比重のあるシダーウッドを使っている理由を考えると
ある意味一挙両得的な製法でもあります。

もともとシダーウッドを使う理由としては、
キャスタビリティーをアップさせて、
さらに慣性をしっかり働かせて力強いアクションをさせるという
設計段階でのコンセプトがあるからです。
そして強度もバルサよりアップします。


IMG_9172.jpg


そうなる理由はもちろん比重が高い素材だからで、
バルサに分厚いコートをかけるともっさりしてしまうところを
シダーウッドならば元々のコンセプトに合致するので、
ウィークポイントにならないというわけです。



前置きが長くなってしまいましたが、
写真下のRC-1はその外皮を全て剥がして、
バルサクランクと同じ製法で薄めのコートで仕上げています。

バラストウエイトが入って、コートが軽くなり、
さらにリップをサーキットボードにしたらどうなるか…。
ある程度は予想できるのですが、
こうした実験はとてもワクワクするもので、
ついやってしまうのです。

予想通り、キビキビ感と安定感が増し、
引き抵抗がしっかりと感じられるクランクベイトになりました。
ただ、カバー回避時の挙動は「うーむ」という感じです。
オリジナルのリップにしたところで
これは好転しないだろうと思われます。

逆にオリジナルはどうかというと、
外皮が重いのとバラストウエイトが入っていない関係で、
かなりピーキーで、箱出しで使えるクランクベイトかというと、
かなり調整が必要になります。
かなりの数を使って、スイムテストしてみた結果、
入手したもののはずれ率が高かったせいかもしれませんが、
まともに動くのは10個に1個程度でした。

そもそもリップが真っ直ぐ付いてないものが多いというのもありますが、
元々安定感のない設計なので、少しのズレが致命的なものになります。


そして、RC-1のボディーデザインですが、
細い真っ直ぐなテールを持ったフラットサイドなデザインです。
カバータッチ時に安定感が保てるデザインではなく、
どちらかというと、小さめのサイズ感と相まって、
とにかくカバーでなんとかして強すぎないクランクを通したい
という思いを感じます。
対カバーへの武器は大きいコフィンリップのみという潔さ。

それにしてもバラストウエイトが入っていないというのは、
設計上致命的で、安定感がありません。
でも入れてみるとわかりますが、
ボディー容積が少ない上に比重そこそこのシダーウッドであり、
このスモールサイズです。
バラストウエイトを入れたら恐らくシンキングになります。
さらに言うとラトル入りのものはさらに比重が高くなるという…。


ということで、大量生産できる製法で、
そうしたスモールサイズのカバークランクを作ろうとなった時に
この設計のRC-1というクランクベイトが誕生した、
というのがいじくりまわしていると何となく理解できてきます。

バルサを使わなかったのは単純にポーだからなのか、
バルサ+バラストウエイトだとコストが合わなかったのか、
当時のタックルではバルサ製だとキャストしにくかったのか…。

それにしてもひとつのクランクベイトをこうしてじっくりと考察するのは
とても有意義で楽しいものです。



ところでなぜ私がポーのRC-1に執着しているのかというと、
理由は非常に単純で「形が好きだから」です。
見た目への愛ですw
愛嬌とか重要じゃないですか?
クランクベイト愛に溢れる方ならわかるはず ^ ^



このRC-1、バルサ製のレプリカやオリジナルボディを使ったリメイク版を
何かのイベントで少数販売しようかと思ってます。
チャリティー枠です。





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