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溺愛グラスコンポジットロッド ACES FM68CMLJ [ロッド・リール]

久しく普通な記事を書いていませんでした…。

今回はずっと書きたいと思っていたロッド話でも^^
現在私が使っているロッドはほぼフェンウィックなのですが、
友人村中氏が開発しているというのがキッカケです。

かなり前からロッド話(論)を語る仲であり、
その思想を嫌というほど聞いていて、
かつ私の好みも知っているというのもあって、
自然とそうなっているわけです。

で、好きなフェン竿はいっぱいある中で、
全幅の信頼を寄せる竿がタイトルのFM68CMLJです。
6’8”のMLパワーのグラスコンポジットロッド。
クランキングロッドとして開発されています。

P1122304.jpg


このロッドの凄さを一言で言うなら
「高い総合力」です。

クランキングはキャストから魚をキャッチするまで、
かなり竿に依存します。
そしてそれが一つでもイマイチだと致命的です。

時系列に沿って書き出してみます。
なお、以下に書くことは私の好みも反映されているので、
異論があるのは承知の上です。
竿の極論は「人それぞれ」ですから…。



(キャスト)
テイクバック時にクランクベイトのウエイトを受けて
綺麗にベンドしてその反発力によって狙ったピンポイントに
狙った弾道で入れられる性能が求められます。
そしてそのルアーウエイトは幅広く対応していると
そのロッドの使用時間が長くなるので、
自然と竿と一体化できてキャスト精度も向上します。
キャスト回数の多い釣りでもあるので、
振り抜けの良さ、軽さは必要だと思います。
さらに適度なシャープさがあることで、
ピンスポットへのピッチングもストレスなくこなせます。

FM68CMLJはこれら全てが満たされていて、
ティップの程よいダルさと強靭なバットをつなぐ
ある意味一番重要なベリーセクションの設計がピカイチで、
グラス系でありながらグラスにありがちなウィーポイントを
うまく処理している絶妙な設計となってます。

グラスのウィークポイントには、
弾性の低さから来る反発力の低さ=ルアーが飛ばない、
直線的な弾道のキャストがしにくい、
ピッチングでの精度が出にくいなどがあります。

ティップを軽く回して竿の曲がりを十分に使った
テクニカルなキャストに関しては
柔らかい低弾性カーボンの特性に魅力を感じます。
正確にいうならローテーパーで設計された全体に細身な竿です。
また、オープンなフィールドにおいては、
低弾性であれカーボンの高い反発力を使える竿の優位性は高いです。

フェンで言うと吉田さんモデルのLINKS60Y-CLJは
そんな感じのロッドです。
他のメーカーならばGルーミスCBR系がそれです。


このキャストという動作においては
低弾性カーボンの優位性は確実にあって、
それを重視する人はこの手の竿を使う傾向にあります。
特にローテーパーな竿は使用感がグラス系と全く違うので、
大きく二派に分かれる原因はここにあると思っています。

ちなみにFM68CMLJでキャストできるウエイトの目安は
MBクランクで言うと6gのmito1から14gのMBX。
この範囲のものは普通に使えます。
ベストはやはりレギュラーサイズなのですが、
そこまでストレスなくその前後が使用可能です。
さらに20g級のRedcubも使えました。

クランクシャフト同番手よりも
少し上のウエイトが使えるようになっているので、非常に便利です。
バズベイトや軽めのスピナベも使えて、
特にバズベイトはグラス系ならではのノリの良さでかなり良いです。

このような汎用性の高さはコンジポジットされている
ナノレジン高弾性カーボン(とアラミド)によるものだと思います。



(リーリング)
巻きに関してはクランキングロッドであれば、
それを重視しているのは当たり前で、

●クランクベイトの動きを妨げない
●カバータッチ時にソフトなタッチ感でスタックしにくい
(クランクベイトがカバーに突っ込みすぎない)

という性能はマストと言えるものです。
その先にあるのが

●感度
●ほぐし力

です。
これはクランカーならば分かってもらえる
非常に表現しにくい性能です。

グラス系は弾性が極端に低いので、
カバーまたはボトムにタッチした時の感度が低いです。
低弾性カーボンでも柔らかい番手のローテーパーであれば、
同様に感度は期待できません。

そもそもなぜ感度が必要かと言うと、
使っているクランクベイトが今どういう状況下にあるか
把握しておかないと無用なスタックを起こすのと、
その巻いているトレースライン上がどういう地形で
どのようなマテリアルのカバーがどれくらいあるのか
把握する必要があるからです。

これはリールやラインで補完することも可能ですが、
やはりロッドでも感じたいところです。
それは次のほぐし力にもつながるからです。

ほぐし力とはカバーに軽くスタックし際の
根掛かり外しで必要なかなりファジーなパラメーターです。
それは水中であれ、陸上であれ、必要な性能です。
感度によっていち早く察知してリーリングを止め、
深くスタックすることを防止して、
シェイクやラインへのテンション操作などの
様々な所作によって僅かな力を加えて
スタックしたルアーを外します。

そのスポットを荒らすことなく釣りを続行できて
釣りのリズムを損なわないというところに繋がります。
FM68CMLJは当たり前の性能に
この感度とほぐし力が加わったと思ってもらえれば
わかりやすいと思います。



(バイト対応)
バスがクランクベイトを吸い込む際、
リーリング時に受けている抵抗にもりますが、
主にティップ〜ベリーセクションのダルさが仕事をします。
これもクランキンロッドであればそのようになっています。

問題はここでそれを重視しすぎると
ただのダルダルな竿になってしまうということです。
特化しすぎたロッドとも言えます。
それ以外のパラメーターがだだ下がりの竿になってしまいます。

私的にはここは必要な分だけあれば良いという考えです。
総合力というキーワードがキラリと光るところ。



(フッキング)
ダルダルな竿やベリーやバットが早い段階で曲がってしまう竿、
そもそも柔らかすぎる竿が苦手とするのがこのフッキングです。
トレブルフックであれ、フッキングは重要で、
竿の弾性を使ってしっかりとフックを刺さなければなりません。
バスの重みを感じながら竿全体を使ってスムーズに確実に
フッキングするのですが、竿が曲がりすぎるとここで不具合が起きます。

フッキングパワーがロッドで吸収されすぎてしまって
でかいバスほどフックがしっかり刺さらずにボートの手前でポロリと外れます。
これは私の経験則からの話であり、バスを確実にキャッチする上で、
クランキングロッドの一番大事なところだと思ってます。

「なんかバレるんだよな…」

の原因はこれである場合が多いのでは?
と思ってます。
特に春はでかいバスが釣れやすいので要注意です。


FM68CMLJの良さはベリーの絶妙さと書きましたが、
これがココでも生きて、しっかりとフッキングが可能です。
柔のティップと剛のバットをつなぐ橋渡し役であるベリーが
本当に絶妙なのです。

以前使っていたクランクシャフトの同番手である68CMLJとの
一番の違いは私的にココです。
あえて雑に書くとガイドがチタンで軽くなって、
コンポジットされるカーボンが高弾性(ナノ系)になったのが
FM68CMLJなのですが、それによってまず感じるのが
振り抜けの良さと軽さです。軽さに至っては感動的です。

P1122307.jpg


でも私は使い込んでみてこのベリーの働きが
すごく良くなっていることに着目しています。
ベリーからバットのパワーでしっかりとフッキングができ、
至近距離でも遠くでも私的にフッキング性能に不満はありません。



(ファイト)
ここではバスをいなす性能と主導権を取られないという
相反する性能が求められます。
グラス系クランキングロッドのバットが太いのは
キャスト性能を補うためとバスのパワーを最終的には
バットで受け止めるためと解釈しています。
曲がり切ってしまえばアウトなわけです。

ただ経験上、UD系薄巻きピュアグラスロッドは
その軽さと引き換えにこのバットの強さを失っています。
でかいバスとのやりとりでは容易に突っ込まれてしまいます。
のされやすいという点では柔らかめなローテーパーな
低弾性カーボンも同様です。

ティップとベリーでうまくいなし、
ベリーとバットで確実に主導権を握るという
そんなやりとりをFM68CMLJは
しっかりサポートしてくれます。
カーボンがコンポジットされているロッドの強みです。

P1122302.jpg


のされず、バラさず、
確実にキャッチする性能は私史上ピカイチです。
それはこの竿を使っていて掛けた魚は未だバラしゼロという
素晴らしい実績に繋がっています。
全幅の信頼を置く理由がまさにコレです。



キャストからキャッチまでの全行程で
高い能力を発揮する総合力が高い竿と
私が自信を持って言えるクランキンロッドなのですよ、
ACES FM68CMLJは。
グラス系を使っているアングラーならば
買って使っていると2本目が欲しくなるクランキンロッドです。
クランキングロッドを物色中の方、ぜひ候補に入れてみてください。


P1122310.jpg
(2本持っているという…)


ちなみにバラしゼロの私のタックル詳細を書き出すと
以下のようになります。

ロッド:ACES FM68CMLJ
リール:09アルデバランMg(夢屋スプール)
ライン:フロロカーボン10lb~14lb またはナイロン20lb

です。

09アルデバランの良さは感度の良さです。
クランクベイトが今どういう状況にあるかをしっかりと把握でき、
夢屋スプールと合わさることによって、
軽量クランクからMBXまでストレスなくキャスト可能です。
(04スコーピオンMgも軽量スプール交換で同様な特性があります)

P1122316.jpg


ラインにフロロを使う理由は傷が入った時の強さと
感度の向上とスタック時、ミスキャストで何かに引っかかった時の
外しやすさが伸びやすいナイロンとは段違いだからです。
デメリットはラインが硬いのでナイロン特有の
なめらかなライン放出感は得られないということ。

ただ、ナイロンも太い番手ならば伸びにくいので、
カバークランク時には20lbナイロンを使います。
さすがに20lbフロロはキャストでは扱いにくいので…。



やっぱり長くなってしまったロッド話。
この竿が売れたからと言って何の見返りもないのですが、
良いものは良いと言いたいしオススメしたく
しっかりと書いたつもりです。


低弾性カーボンのフィーリングが好きすぎるとか、
ずっとピュアグラスで信頼しているとか、
道具に関しては絶対はなく、先述した「人それぞれ」が
出やすいのが竿という道具です。

その道具を理解してデメリットをアングラーが補う
という付き合い方ができれば良いわけですから
好きなものを使って欲しいと思います。
「最強」ななく「自分的最高」を求めてこそ
最高の趣味の道具になると思います。


シーズンも半ば、令和元年のクランクキングを
存分に楽しみましょう!!



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ゴールデンウィングとLinksの話を少し [ロッド・リール]

JFLCCまであと約2週間となりましたが、
どうなんでしょう…間に合うのかな…。
どんぶりスケジュールでやってたら、ヤバイ状況になってきました。
そろそろビルダーお得意の「寝てない自慢」が始まる予感(笑)




さて、本題。
ネタがないとすぐにロッドネタを書いてしまうのは
お許しくださいませ。


近年はクランキンロッドよりも
ワーミングロッドに投資してまして、
その中で使用頻度が高いのがゴールデンウィングなのです。
フェンは現在Aces(エイシス)がフラッグシップ扱いで、
今春Links(リンクス)がエントリーモデル扱いで新登場しました。

で、GWが何だか宙ぶらりんになった感じなのですが、
別に古いモデルではなく、リニューアルしたのは2016年なので、
新しいモデルと言えます。
今回の内容としては、私はGWがお気に入りという話と
持っているナンバーの感想でも書こうかなと。


ちなみにLinksは少し触る機会があったので、
持って、振ってという程度ですが感想を言うと、
もうこれで良いのでは?と思えるくらい
コストパフォーマンスの高いロッドでした。
定価で2万ちょいなので、お手頃感は◎。

見た目がハイエンドモデルたちの色違いで、
パープルアクセントはいい感じでした。
写真はHPに掲載されてましたので、興味のある方はどうぞ!
さっき見てみたら沢村さんの解説動画が上がってました。
https://www.tiemco.co.jp/products/groups/view/2418

Facebookでベンドカーブの動画も上がっているようです。
https://ja-jp.facebook.com/TiemcoBass/


Linksは例えばお手軽にライトリグ用スピニングを買ったとして、
それがいずれ不要になるような性能かというと、
ずっと使えるんじゃない?というくらいのロッドでした。

ベイトロッドに関しては、Acesと比べると(基本Acesと同じラインナップ)、
長いモデルはさすがに少し重さを感じますが、
それはそうなるでしょうという感じ。価格的に1/2以下ですからね(^^;)
素材やパーツが違うけど、用途はAcesと同じというラインナップです。
ちょっとG-loomsと似てますね。





さてGW。Acesと何が違うかというと、
まず、スペックが被ってないというのがあるんですが、
まあ、それはさておき、GWはピュアカーボンロッドというのが
私が好きな一番の理由です。
Acesは全部ではないですがアラミド補強したモデルがメインです。


GWは使ってて、違和感がないというか、素直というか、
ナノレジン+高弾性カーボンというのが
何だかいい感じに自分に合います。
クセがなくて、めっちゃ軽くて、曲がって、粘って、
ロッドの当たり前の機能がしっかりと機能しているのが良いです。
パリパリ感としっとり感が同居しているというと、
食レポみたいですが、そんな感じ。
ナノレジンの効果も大きいと思うんですが、
軽量なのに破損の危うさが無いのも好きな理由です。


店頭で振ってみると硬そうに思うかもしれませんが、
ガイドが軽いのと軽量ブランクのハイテーパー設計なので、
そう感じるだけで、実際ルアーを付けてキャストすると、
テイクバックでしっかりルアーの重みが乗って、
気持ちよく飛んでいくので「お〜!」ってなると思います。
私がそうでした(^^)




私が現在使ってるナンバーは以下の通りです。


IMG_6595.jpg



[スピニング]

●GW60SLJ
ダウンショット用にULと迷ったんですが、Lにしました。
カバー周りもやるので、やっぱり無理が効く方が良いです。
3lbラインの軽量DSリグで使用。
極小ガン玉でも使えるくらい繊細なティップなので、
便利に使える1本です。
オープンウォーターメインだったり、ディープでのライトリグをやるなら
60SULも欲しいという感じです。
両モデルとも6ftレングスでめっちゃ軽いのでティップで操作しやすいです。



●GW64SLP+J
ネコリグ用に購入。最初振った時に「硬っ!」と思ったんですが、
実際に使うとそんなことはなかったです。LP+というパワーなので、
カバー絡みでも60SLに比べて安心感があります。
私的にはカバー寄りのライトリグスピニングとして使ってます。
60SLよりは使用頻度はかなり低め。




[ベイト]

●GW66CLJ (B.F.S.)
去年、60SLと共に使用頻度が高かった1本。
ショートリーダーDSや軽量Fリグ、小さめの高比重ワームのノーシンカーで使用。
カバー撃ちでアキュラシーが欲しい時は断然ベイトタックルが良いので、
7lb前後でめっちゃ使いました。
軽量リグでもピッチングがしやすく、テーパーのクセもなく、
掛かってものされるのこともなく、本当に良い感じです。
リールシートはできればトリガー付きが良いというのは以前書きましたね(笑)

短めの63や60などのBFSモデルもありますが、
私的には66より短いレングスは必要ないかなと思ってます。
(バンク沿いを流しながらのピッチング使用オンリーなので)
逆にロングレングスBFS(610)が欲しいところです。


ライトプラグにも使えそうですが、
リールが09アルデのAvailスプールなので、
キャスティングがシビアでやってません。
BFSはキャスティングも併用するなら
マグブレーキリールが良いと思います。




●GW68CMLP+J
汎用性の高いファーストテーパーロッド。
MLP+なので下の68CMLよりもちょいパワーがあります。
ライトリグをカバー撃ちするロッドなんですけど、
BFSロッドよりも重めのリグ・ワームが使えます。
ただ、66ベイトフィネスの出番が多すぎて、
去年は出番がめっきり減ったロッドです。
汎用性が高いがゆえに私的には中途半端になっちゃってる感じ。
かなり軽いのでワンハンドピッチングで流していく釣りは
かなり良いです。パワーもそこそこあるので無理が効きます。




●GW68CMLJ
68CMLP+と近い表記ですが、スローテーパーなのと、
やや柔らかいのでキャスティング向きなロッドです。
でもこの竿もめっちゃ軽いので撃つ釣りも普通にできます。
現在、高比重ワームとか、
ちょい軽めのバズベイトやスピナベ用になってます。
これの低弾性カーボン版が欲しいな〜と最近思います。
高弾性は高弾性で弾丸ライナーキャストが可能なので、
ピンスポットに入れやすくていいですけどね。

ワーム寄りでハードもそこそこ行ける何でもロッドで、
ボートに乗せる本数が限られる時などでも重宝するロッドです。




●GW610CMHP+J
テキサスロッドとして使用。P+なのでかなり無理が効きます。
ティップがそこそこ曲がってくれるので、軽量リグをピッチングして
操作することも可能な器用な一面もあって、便利なテキサスロッドです。
これもまた軽量なので軽快なピッチングができます。
あとフリッピングにも使えなくはないです。
60SLと66CL(BFS)の次に多用するワームロッド。
典型的なテキサスロッドとしておすすめな1本です。
3/8〜1/2ozスピナベとかも良い感じで使えます。



以上、GWのレビューでした!




さー、クランク作り、今週末が山だ!
というか、ずっと山だ(^^;) 頑張ります。

※Redcub miniはリストラされる可能性大です…




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共通テーマ:趣味・カルチャー

ロッドの話-4(ワーミングロッド) [ロッド・リール]

近年は意識してワームを使って楽しく釣りをしています。
H-1参戦時はどうしてもハードベイト中心になりがちでしたが、
以前は普通に使ってましたから、別に嫌いでもないし、
普通にダウンショットの釣り好きです(^^)


バスロッドの中では特殊な部類と言えるクランキンロッドは
思うこともあって、長々書きましたが、
ワームロッドの基本形を一言で言ってしまうと、


「高弾性カーボンのファーストテーパーロッド」


だと思ってます。
いやいやそれは乱暴すぎるだろ!
と思う方もいるでしょう。
でも基本はコレなんだと思ってます。
ファースト~レギュラーテーパーといい直しても良いです。
この辺のイメージの違いは数値化できないので難しいところ。


これを基本として、リグや用途によって
少しずつ設計が変わっていくと整理すると
分かりやくなるのですよ。


なぜ高弾性カーボンなのかは言うまでもなく、
軽量で感度が高いことのメリットがあるから。
テーパーも関係してますが、撃つ釣りが多くなるワームの釣りは
ピッチングのしやすさも重要なので軽い方が良いです。
そしてワームの操作に関しても高弾性の方が意のままに操りやすい。

そして、カバーやボトムへタッチ感がダイレクトに伝わりやすいので、
状態把握が容易という利点もあります。
高弾性カーボンは張りが強いのでカバーからバスを引き離しやすし、
(折れるようなロッドは論外)
フッキングも一瞬で決まると。

ファーストテーパーなのは所謂掛ける釣りに良いのと、
特にライトなワーム、リグに対しては操作感が良く、
繊細に操作が可能という利点があります。
細いティップで繊細な操作をして、
ベリーからのパワーで掛けるイメージでしょうか。


私がよくやる釣りの中では、
ダウンショット、ネコリグ、テキサスリグは
この手のロッドでパワー・レングス違いを揃えて対応します。

ダウンショットはあんまりロングキャストする釣りではないので、
ロングロッドである必要性はあんまりないかなと。
ネコリグはライトな感じで使ったり、
テキサスリグのフィネス版として使ったりという感じなので、
用途でレングスとパワーが変わってくる感じ。
テキサスリグはピッチング用途なので今は610MHがメインです。


ダウンショットはちょいキャストも多用するけど、
ネコリグやテキサスリグはピッチング用途がほとんどです。
だから所謂ワーミングテーパーなロッドが使いやすい。
近距離戦がメインになります。



そこから少しテーパーが変わって、
スローな方向になってくると、どうなるかというと、
それはそれで用途があります。
私は現在フェンウィックユーザーなので、フェンの言い方で言うと
ミディアムスローというタイプです。


昔はファーストテーパー、レギュラーテーパー、スローテーパーと
分かりやすい表記でしたが、今は細分化されて、
さらにメーカーごとで基準や表記が違うので、言い方に迷います。

ファーストテーパーと言っても先だけが曲がるのではなく、
曲げ込んでいくと自然にベンドカーブが
大きくなっていくような設計が基本だと思うので、
あんまりテーパーを気にしない人もいるのでは?

短いロッドだとファーストなのかレギュラーなのか、
もうよく分からん!ということもしばしば。


私もあまり細分化しないで、
まずは大きくファースト方向かスロー方向かで大別して
用途別に使い分けてます。
ではそのスロー方向のロッドは何に使うかというと、
ざっと書き出すとこんな感じです。



●ラバージグ(スモラバではなく)
●キャロ
●高比重系ノーシンカー(大きめのやつ)


ミドストもこっち方向なロッドですが、
ちょっと特殊系な気がするのと、
前回書きましたが、私ミドストやらないので、
ちょっと除外します。


で、この3つの共通点ですが、
「ルアーが重い」ということがあげられます。

ラバージグはワームカテゴリーではないですが、
用途的にかぶってくるので入れてみました。
3/8~1/2くらいのガード付きカバー対応タイプを想定してます。
あんまりやりませんがフットボールも含みます。
まずラバジ+トレーラーワームで結構な重さになるので、
重いルアーは簡単にティップが入ると操作感が逆に悪くなります。

そして、カバーに対してテキサスリグよりも
引っかかり感があるので、ティップがすぐに入ってしまうと
カバーを超えられずにティップが曲がって、
その直後にピヨ~ンと飛んでカバーから離れてしまうという
ストレスのたまる展開になりがちです。

あと、スキッピングでカバーの奥に入れるのも、
スロー気味の方がやりやすいはずです。
さらに濃いカバーからバスを抜くことにも
無理が効くこのテーパーが活きます。
張りとパワーのあるスローテーパーなカーボンロッドは
パワープレイで有効です。


そして、サウスキャロライナリグ。フル表記新鮮(笑)
かな~り昔の話ですが、オールスターのCRCというロッドを
一時期多用してたんですが、これが当時のキャロ専用ロッドでした。
キャロライナリグキャストの頭文字でCRC。
スローテーパーな強いロングロッドでした。あ

キャロは広範囲をサーチするリグなので、
アプローチはロングキャストです。
そして割とリグ全体が重い。
今はあまりやらないかもしれませんが、
こういう釣りもスローテーパーが向いてます。
キャストが楽なのと、ボトムでシンカーに引っかかり感を感じて、
それを極力短い距離で外したい時はラバジの時と同様に
ティップの張りでストレスなく対処できます。

あと遠くで掛かった時もブランク全体のパワーを引き出しやすい
スローテーパーは非常に有効です。ロングレングスも活きます。
低弾性カーボンのクランキンロッドとは別次元の話です。
ロッドのパワーが段違いですから。


そして、高比重系ワームのノーシンカー。
これは小さめだったら、ぶっちゃけ何でも良い気がしますが(笑)
5インチとか重くなってくるとこっち系のロッドの方が楽です。
ファーストテーパーのロッドに比べて
パワーを一段階下げても対応できるイメージです。

あとノーシンカーもラバジ同様にスキッピングも併用しがちなので、
そこでもマッチします。


じゃあ、テキサスリグもスローテーパーで良いのでは?
という話になります。
私は普通に使えると思います。
今のロッドはスローテーパーでも軽いし、全然問題ないです。
(スローテーパーはティップが太くなるので先重りになりがち)

カバーから抜くのも楽だし、高弾性カーボンだから感度もあるし。
使いにくいと感じることはあんまりないと思います。

ただ、軽めのテキサスをワンハンドで
テンポよくピッチングしていきたいなら、
ファーストテーパーの方が軽快で快適です。




今となってはマストアイテムになりつつあるベイトフィネスロッド。
これはワームのライトリグが基本になるので
ほぼファーストテーパーになっていると思います。
スモラバなんかも今は本当に軽いのでこういうロッドで繊細にやるのかと。
私はあんまりやらないですが。




こうやって書いてみると、
やっぱり意外にスローテーパーなロッドは使えるな~と再確認。
それはやっぱり今は軽量に作れるというのが大きいです。
技術の進歩というやつです。

現に私が今持っているフェンのAces2本は
スローテーパーです。


IMG_6518.jpg


68CMと70CH。
これでテキサスができないかというと、普通に使えます。

70CHはめっちゃ軽いし、
スローテーパーなので例えばヘビーなスピナベ、
ビッグベイト、フロッグ用途でも使えます。
68CMはレギュラーサイズのスピナベ、バズベイトにも
良いです。

やたらとスピナベというワードが出てきますが、
スピナベもパーツが多いので重くなりがちなルアーであるのと、
カバーに対してはラバジ同様に回避がやりやすいというメリットが
出てきます。キャストするルアーですし、
スピナベロッドはスローテーパーが好みです。


で、こちらがゴールデンウィングの68CMLと
PMXの68CLP+(この間アップしたロッド)なんですが、
これらもスローテーパーなロッドです。


IMG_6523.jpg


割と好きなテーパーなので、結構持ってます(^^)
68CMLはナノレジンブランクなので、
さらに私好みで使いやすいです。
MLだと曲がってくれるので、ハードベイトもキャストしやすくて、
今時のちょい大きめミノーにも使えます。

ワーム系が幅広く使えて、ハードルアーもそこそこ行けるので、
オカッパリ向きな1本とも言えます。
軽量な高弾性カーボンをムッチリ高耐久筋肉繊維的イメージに仕上げるナノレジン。
さらにスローテーパーで汎用性が高いMLパワーということで、使い勝手が良いです。

これに対して低弾性(中弾性?)素材のPMX 68CLP+は
同様にテーパーがキャスト向きですが、
素材がハードベイト向きなので、ワームはちょっと…という感じ。
これがLではなくMLくらいになればハードベイト中心でワームも使えなくはない
オカッパリの1本になるかと。


私がオカッパリをやるなら絶対ロッドは1本にしたいので、
今はほとんどやらないですけど、こういうタイプのロッドでやりたいですね。



最後はオカッパリロッド話になりましたが、
ワームロッドはテーパーとティップをどう使うかで整理してます。

 ちょんちょん繊細ティップ
 スティック的操作が可能なティップ
 ダルンダルンのミドスト用ティップ

で大別する感じ。
ミドストやらないけど(^^;)


ちなみに5ft台のショートロッドの存在意義ですが、
真下のディープ、ショートディスタンスでの超繊細操作と
感度を高めるためのレングスなので、
私的には全く出番のないタイプのロッドになります。




計4回に分けてロッド話をアップしましたが、
文章長いぜ!
皆さんのロッド整理のヒントになれば幸いです。








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ロッドの話-3(低弾性カーボンロッド) [ロッド・リール]

ロッドの話、続きます。
今日は低弾性カーボンロッドです。

前回も書きましたが、この手のロッドは
「クランクベイト用」と「ハードベイト用」で微妙に味付けが違うので、
クランクベイト用を中心に書いてみたいと思います。

クランクベイト用の低弾性カーボンロッドは
ほぼアメリカ製です。
一番メジャーなのはやっぱりGルーミスのCBRでしょうか。
ノースフォークやキスラーと合わせて、
この手のロッド愛用者はこれらのどれかを愛用しているかと思います。

カーボンを使えば設計次第でグラスの良さを残したままで軽量に作れる、
という発想から作られたかどうかは定かではありませんが、
設計を見ていくとそうなんだろうなーと思ってしまいます。

低弾性とは言え、グラスより反発力が強いカーボン製なので、
まず全体的に細身に作ることが可能です。
細身にしていくと軽くなるのと、テーパーもローテーパーになって、
大きなベンドを描く、非常にキャストしやすいロッドになります。

軽くて良く曲がって、よく飛んで、ティップを回しやすく、
とにかくキャストが気持ち良いロッドです。
これを味わうと正直グラス系には戻れない!という人も居ることでしょう。
さらにオープンウォーターにおいてはロングキャストもしやすいので、
私が琵琶湖な人だったら間違いなくこっち系の強めのロッドがメインになると思います。

テーパーの特徴としては、
ローテーパーと先ほど書きましたが、
まずティップセクションが長いのと、バットが細いという2点に注目すると
この手のロッドの特徴が見えてきます。


これらによって先述した気持ち良いキャストができるわけですが、
長いティップセクションはグラスのソフトなティップを
カーボンで実現するためなんだと思ってます。
そして早い段階でベンドは手前に移行して、どんどん曲がって行きます。
バットも細いから当然です。
これによってグラスのバラシにくさ機能を得ているわけです。

これは私が勝手に思っていることなので、
実際、設計者はそう思ってないかもしれないので、
あしからず。


とにかく、こうやって機能性を整理していくと、
非常に理にかなった設計がされていて、
愛用者が多いのも納得できます。
軽くて、キャストが気持ちよくて、
グラスの長所も備えていて、もう最高じゃないか!
となります。


いいことばかりを書きました。
じゃあ、グラスより低弾性カーボンの方がいいじゃん!
と思われる方が居ると思いますが、
この手の低弾性カーボンロッドのウィークポイント…というか、
注意すべき点があるという持論を私は持っています。

持論ですからね、持論。
これをわかってて使うなら私はすごく良いロッドだと思ってますし、
グラス派の私も全モデル欲しいとすら思ってます。




それはずばり


「意外にバラし多くないですか?」


ということです。



いやそんなことは無い!という方ならば、
ロッドの特徴を理解して使っているか、
元々、相性が良いのでしょう。


ちなみに私はずっとグラス派ですが、
グラスを使っててバラしてめっちゃ悔しい!と
記憶に残ってるクランキンフィッシュは
パッと思いつくもので1回だけです。

ちっちゃいのがボート際でポロっと外れるくらいのものは
全然悔しくないので記憶に残らないのですが、
ちょっといい魚だと記憶に残ります。

初年度のH-1印旛沼戦で最後に掛けたキロアップをバラしてしまったのは
確かダイワのピュアグラスVIPを使ったクランキングでした。
あれは悔しかった…。


それを除くと貴重な魚をグラス+クランクベイトでバラした記憶はありません。
私がグラスロッドを使う最大の理由がコレ。
信頼性が高いので特に試合では絶対的にグラス系になります。


よく試合でもクランクでデカイのバラした!という人がいますが、
もしそういう人を発見したら、そっとタックルを覗いてみるのも面白いです。
私の回りで見聞きした範囲での話ですが、
やっぱり低弾性カーボン系の方がバラしている率が高いのです。


それはなぜなのか…。
自分の経験上、それははっきりしてて、
他の人も多分そうなんじゃないかと思ってます。


まず使っているロッドが柔らかめで、
ラインナップされているロッドの中で特に一番柔らかい番手は
この手のバラしが多くなる傾向があると思います。


メカニズムは非常にシンプルです。
長いティップセクションと細いバット、
カーボンと言っても低い弾性。
これらの特徴はグラスの良い面を実現すると同時に、
時にロッドのパワー不足が露呈してしまうのです。

これを理解していないと、まずフッキングが危うくなります。
これはデカイ魚になればなるほど致命的です。
そして、主導権を握れない事態に陥ります。
フッキングがうまく行ってない上に好き勝手暴れられてしまって、
ボート際でポロッと外れるというわけです。

もともとアメリカで生まれたクランクベイトロッドなので、
力が強く、フッキング動作も大きいアメリカのアングラーならば
問題にならないところなのかなと思います。
でもこれを日本人が普段の釣りの要領で使ってしまうと、
非常にバラしやすいロッドになってしまうと。


つまりは理解不足。


似たような話でちょっと荒っぽい話ですが、
この手のテーパーはミドストロッドとちょっと似ています。

長いティップセクションはダルンダルンとさせるミドストロッドのそれで、
全体に細身なのも似ています。
ダルめで曲がってくれるので軽量ルアーをキャストするのにいいのでは?
とタイニークランクを使ったりすると、非常にキャストしやすくて、
これいいじゃんと思っていると、ヒットしてもなぜかバレる…。

バレる理由は同じです。

じゃあ、ミドストロッドはバラしやすいロッドなのかというと
そうではなく、使用ルアーがそもそも違うから同じ結果にはならないのです。
ミドストロッドは当然クランクを使うようには作られておらず、
ソフトルアーで、細軸フック想定です。
クランクベイトのようにファイト時にルアーは暴れにくいし、
条件がかなり違ってきます。
(注:ソリッドティップのは使ったことないです。そもそもミドストしない…)


グラスロッドは遠くで掛けるとバラしやすいと前回書きましたが、
低弾性カーボンロッドも同様なことが起こり得ます。
ロングロッドにすること、フッキングモーションを大きくすること、
リーリングも併用することなどで、遠くの魚にしっかりとフッキングするのは、
琵琶湖アングラーならば皆さん自然とやっていると思います。


これが、柔らかめのこの手のクランキンテーパーを持つ
低弾性カーボンロッドをバンク流しで使った場合、
近距離戦でもフッキングできてない事態に陥ることがある、
というのは間違いなく、
曲がる分フッキングモーションは大きくしてあげないと
特にデカイ魚は「ポロッ」が発生してしまいます。


私が思う低弾性カーボンクランキンロッドの
唯一のウィークポイントはコレです。


そもそも私はグラスであれ低弾性カーボンであれ、
3本ラインナップされていたら
キャストよりも確実にキャッチすることを優先したいので、
パワーレベルの上の2本を軸に使います。
キャストは慣れでどうにでもなるし。


じゃあ、スピニング+シャッドはなぜ成立するのかというと、
ロッドにそこそこ張りがあったり、
スピニングのドラグ性能がベイトに比べて素晴らしく良いという理由があります。
そして、そういう釣りをしている方は
その辺も理解して慣れているというのも大きいかと。


ついでに言うと柔らかいULスピニングロッド+ワームでバレないのは
上記の理由に加えて刺さりやすいフックと暴れにくいルアー(ワーム)だから。
ダルンダルンのエリアトラウト用グラス+エリアスプーンでバレないのは、
ロッドパワーを最大限に使った鋭いフッキングと細軸シングルフック、
魚に隙を与えないドラグを効かせたゴリ巻きファイトだから。



脱線した(笑)



低弾性カーボンロッドに話を戻して、
その特徴を端的に表現すると、

 軽量でキャストが気持ち良くて、
 クランキングに十分使えるけど
 時にパワー不足による危うさが露呈する

です。
総合的に良いクランキンロッドだと思います。
グラスはどうしてもダメなんだという人は
もうコレしか選択肢がないと思います。


低弾性カーボンのクランキンロッドに対して、
低弾性カーボンのハードベイトロッドというのがあって、
代表格であるロードランナーのハードベイトSPなどは、
全然設計思想が違うタイプです。

曲がるけど、ちゃんとパワーがあります。
クランクというより、ワイヤーベイト含む
ハードベイト全般に対応しつつ、
しっかりと主導権を握れるパワーもあると。
バットもしっかりしてるし。


基本的にハードベイト向きロッドは
低弾性〜中弾性カーボンでパラボリック、
ミディアムスロー的テーパーなロッドです。
USクランキンテーパーなロッドとは明確違って、
キャストして巻く釣り全般に対応する便利なロッド。

オカッパリでロッド1本でハードルアーメインで行くなら
この手のロッドを私は選ぶと思います。



次回はワーミングロッド他について書きます。




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ロッドの話-2(グラスロッド) [ロッド・リール]

さて、クランキンロッド。
当ブログをご覧の方ならば、絶対持っているであろう専用ロッド。
皆さん、それぞれの特徴を理解して使われているかと思います。

クランキンロッド、主にシャローからミディアムダイバーを
使用する方が多いと思いますが、
ご存知の通り、大きく分けて2種に大別されます。

●グラス系
●低弾性カーボン系

です。
さらに細分化していくと、
グラス系はピュアグラスとグラスコンポジットに分かれ、
さらにその先でも微妙な差があります。
より軽量なUDグラス系の現代グラスモデル、
ザ・グラスと言える古いグラスモデル、
コンポジットでもグラス寄りなモデルとカーボン寄りなモデルに
分かれて行きます。

低弾性カーボン系はテーパーの違いや、
ベースとしているパワーの違いが各メーカーで差があると思ってます。
それはクランキン用なのかハードベイト用なのかというところで、
味付けが変わってきている結果かと。
言うまでもなくクランキン用の方がグラスの使用感に近いのですが、
私の中では近いけどグラスとは全然別物という扱いです。

まず自分がなぜそのタイプのクランキンロッドを使っているか…
というのを自問自答してみて、明確に答えられるか試してみると
愛用ロッドへの理解度が見えてきます。





アングラーのタイプを3つに分けると
●グラス派
●低弾性カーボン派
●用途に合わせて両方使う派
です。

ここでクランキンに専用ロッドを使わないという方が居たら
ちょっとアレなんですが、オカッパリで1本で全部こなすような
ロッドで釣りをする場合を除いては、考え直した方が良いです。
間違いなく。



グラスは私の中ではよりコンペティティブな方向性のロッドだと思ってます。
理由はよく言われていますが、バイトからキャッチまでを補助してくれるような
ブランク特性だからです。
クランクベイトがよく動いてくれるというのもありますが、
低弾性カーボンロッドでもそれなりに動いてくれますので、
明確な違いはやっぱり「バイトがあったら絶対獲りたい」という思いの強さ。




時系列で書いていきます。

まずキャスト。
ここではグラスは不利です。
弾性が低すぎて反発力が小さく、
クランクベイトが飛びにくいです。
そして、ブランクが重い。
UD薄巻き系の軽いグラスロッドでもやはりカーボンの軽さにはかないません。

コンパクトなキャストでもお腹に引っかかることがないように、
シャロークランキンロッドはグリップが短めです。
だから余計に重さを感じてしまうということで、
この重さがダメでグラスを使わないという人も一定数いるかと思います。


重さはさておき、とにかく弾性がとても低いグラスロッドを
クランキンロッドとして成立させるために、まずバットが太くなっています。
これにより低い反発力を補っています。
ブランクは太い程強いので、太くしてパワーを増す設計になってます。
太いバットが見た目的に好きではないという人がたまにいますが、
細いバットのグラスロッドはこの釣りにおいては論外です。
だから存在していません。

そして、テーパーデザインでいうとハイテーパーな設計が
グラスロッドの定番なのはキャスト時のパワー補完だけでなく、
後にも活きてくるのですが、それは後述します。

キャスト後のリーリング時に生きるのは、
クランクをストレスなく泳がせるためのソフトなティップセクション。
さらに対カバーに対してアタリをやわらかくすることができるので、
突っ込んで引っかかるストレスが少なくなります。
これは高浮力なクランクベイト(MBクランクで言うとMBX)を使うと
相乗効果で素晴らしい回避性能を体験できます。

次にバスのバイト。
先述した通り、ここからがグラスの真骨頂です。
バスのバキュームによって口に入るクランクベイトは、
ティップの入りやすいグラス特性によってより深く吸い込まれます。

グラスを使ったことがない人はアタリがわかりにくいのでは?
と想像するかもしれませんが、私はそんなことを思ったことは一度もなく、
通常はオートで掛かってくれます。
難しいのは風やエレキによって流されながら流される先にキャストしている時。
当然オートでもフッキングは必要なのですが、
その必要性が高まるのがこの流されながらのクランキングです。
リーリングスピードが常に速めの場合はあまり気にならないかもしれませんが、
スロー気味な人は情報量が少なくなるので練度が必要です。
でもグラスだからというような話ではないとも思います。

さて、バイトを感じてからのフッキング。
ここではグラスはネガティブな要素を持っています。
正確にはそうなるシチュエーションがあります。
それは遠くでバイトした場合。
遠くで掛かって、ジャンプされてバラすというのはグラスあるあるかと。
遠くで掛かってしまうと、フッキングが伝わりにくいので、
ジャンプされて首振り一発でクランクが飛んでしまうというわけです。

通常のバンク流しの距離くらいなら、
ハイテーパー設計で太くなっているベリーからバットにかけてのパワーで
十分フッキングが可能です。ここからはこの設計の必然性が再び出てきます。

太いバットはフッキング後のファイトでも活きます。
全体に低い弾性のブランクは身切れによるバラしを少なくしつつ、
のされにくいバットパワーにしていることで、
主導権をバスに渡すことなく、ファイトが可能です。


極力短くグラスロッドを言い表すと、

 キャストはしにくいけど、
 バイトからは良いことだらけ

になります。

だからキャストが気持ちよくできないのは我慢してでも、
食ってきた魚は絶対獲りたいんだ!という思いが強い人向けと言えます。
コンペティティブな思考です。

次回書きますが、低弾性カーボンはキャストフィールが素晴らしいから
これ最高と思いがちですが、バラさないということに関しては、
ほとんどのシチュエーションでグラス優位です。
ロッドは魚を獲れてなんぼということを忘れてはなりません。



そして、ピュアグラスよりもグラスコンポジットが多くなっている現状は
何を意味しているのか…という話なんですが、
簡単に言うとベリーからバットのさらなる強化で
時系列で説明したデメリットを少しでも良くする手段としてとても有効なのです。

グラスの存在意義となっている全体的にとっても低い弾性と
ソフトなティップはそのままにベリーとバットをさらに強化することで、
より飛距離を出しやすくして、フッキングパワーを上げて、
さらにファイトも優位にしていくという考えです。
ついでにボトム感知能力も少し上がります。

だからコンポジットされるカーボンはベリーとバットが中心となります。
ティップへのそれよりも多めということです。
グラスだけでそれをやろうとすると重くなってしまうので、
カーボンとのコンポジットになっているわけです。

部分的に強化しつつ自然なテーパーに仕上げるのは
設計者・デザイナーの腕の見せ所でしょうか。


ではピュアグラスよりグラスコンポジットが絶対的に良いかというと、
そこはロッド。人によってはピュアグラスが良いという場合も出てきます。
体力があって、パワーは自分のパワーで補完するから大丈夫という人も居るでしょう。
私はグラスコンポジットを中心に使ってて、やっぱりピュアグラスより楽だなと感じます。
でもたまにピュアグラスも使うし、それがダメだとも思わないので、
要はどれだけ自分の手持ちのロッドを理解しているかなんだと思います。

ただ、ほとんどの人はグラスコンポジットの方が使いやすいと感じると思います。




次回は低弾性カーボン編を書こうと思います。
最後はワーミングロッド他になるかな?



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